実験公開中!海洋生分解性プラスチック製レジ袋~キラックス×名古屋港水族館~

昨年、三菱ケミカル株式会社協力のもと、弊社が開発した「海洋生分解性プラスチック製レジ袋」
海洋生分解性プラスチックとは、海洋中の微生物によって分解され、自然に還る性質を持つプラスチックのこと。海の生き物に悪影響を及ぼすプラスチックゴミ問題の高まりを受け、海洋生分解性プラスチックに注目が集まっています。

現在、名古屋市港区の名古屋港水族館にて、特別展「豊かな海をいつまでも~旅する水とめぐる海洋ゴミのいま~」が開催されています。その中で、海洋生分解性プラスチック製レジ袋が実際の海洋環境で分解される実験水槽を公開中。

その様子を実際に見学してきましたので、ご紹介させていただきます。

海洋生分解性プラスチック製レジ袋が、本当に分解されていくのか!?ぜひご覧ください。


◆目次
1. 海洋生分解性プラスチック製レジ袋とは

 1-1. 海洋生分解性プラスチック製レジ袋の採用
 1-2. 海洋生分解性プラスチック開発経緯
2. 名古屋港水族館の特別展ってどんなもの?

 2-1. 名古屋港水族館のご紹介
 2-2. 特別展「豊かな海をいつまでも~旅する水とめぐる海洋ゴミのいま~
 2-3. スタンプラリーで海洋ゴミの現状を知ろう
3. 実験公開中!海洋中で分解するレジ袋
 3-1. 分解実験の経緯
 3-2. 比較実験水槽をご紹介
 3-3. 4ヶ月後の変化はいかに!?
4. まとめ


1. 海洋生分解性プラスチック製レジ袋とは

1-1. 海洋生分解性プラスチック製レジ袋の採用

2021年4月、日本で初めてとなる海洋生分解性プラスチックを100%使用したレジ袋が採用されました。

海洋生分解性プラスチックとは、海洋中で分解することができるプラスチック。
通常のプラスチックは海に流れ出た場合、分解することなくゴミとして浮遊し、海の生き物が食べてしまうことや、海洋中にプラスチックゴミが増え続けていることが大きな問題となっています。

一方、海洋生分解性プラスチックを使用したレジ袋は、海の中で分解し消滅する特別なプラスチックでできています。トウモロコシなど植物由来原料を使用したBioPBS™(バイオPBS)という生分解性樹脂を用いた海洋生分解性樹脂で作られているので、海洋ゴミの削減に貢献することができるのでは、と注目を集めています。

1-2. 海洋生分解性プラスチック開発経緯

今回、海洋生分解性プラスチック製レジ袋が誕生するまで、土の中に埋めることで水と二酸化炭素に分解する“生分解性プラスチック“を使用したレジ袋は製品化されていたものの、海洋中で分解できるレジ袋は世の中に存在していませんでした。

2005年、愛・地球博で弊社の開発した生分解性プラスチック製ゴミ袋が採用。それを契機に、弊社ではさらなる生分解性プラスチックの活用を目指し製品開発を進めてきました。2005年当時より、海外を中心に海洋生分解性プラスチックの必要性は訴えられていたものの、製品化には至らず。

それが近年の海洋プラスチックゴミ問題の高まりを受け、2018年頃より弊社専門チームが本格的な海洋生分解性プラスチックを使った製品開発に着手。
BioPBS™(バイオPBS)の素材開発を行った三菱ケミカル株式会社の協力のもと、約3年間かけて海洋生分解性プラスチックを100%使用したレジ袋を完成させました。

この海洋生分解性プラスチック製レジ袋は、海洋中で約1年間かけて水と二酸化炭素に分解され、形が消滅するもの。日本のみならず世界中でプラスチックゴミの削減が叫ばれる中、環境に配慮したアイテムとして注目されているのです。

◎生分解性プラスチックについてはこちらで解説しています

2. 名古屋港水族館の特別展ってどんなもの?

海洋生分解性プラスチック製レジ袋の実験が展示されている名古屋港水族館。まずは、名古屋港水族館のご紹介と、今回の特別展の概要をお伝えします。

2-1. 名古屋港水族館のご紹介

名古屋港水族館は、愛知県名古屋市港区にある水族館。株式会社キラックスの本社も同じ名古屋市港区内に位置しており、とても近い存在です。

日本全国には150カ所以上も水族館があると言われていますが、名古屋港水族館は日本最大級!
特にイルカパフォーマンスやシャチの公開トレーニングが行われるメインプールは日本最大の大きさです。約3,000名が収容でき、大型モニターがあるのが特徴。
(実際にイルカパフォーマンスを見学してきましたが、イルカたちのパフォーマンスだけでなく、映像でも楽しませてもらえるので見応え抜群!)

名古屋港水族館は北館と南館に分かれており、それぞれのテーマに沿った生き物が展示されています。

<展示テーマ>
北館:35億年はるかなる旅~ふたたび海へもどった動物たち~
 →日本の海、オーロラの海、進化の海、水中観覧席(メインプール)
南館:南極への旅
 →日本の海、深海ギャラリー、赤道の海、オーストラリアの水辺、南極の海、くらげなごりうむ

敷地面積がとても広く、充実した展示がたくさんあるので1日たっぷりと楽しむことができます。また、当日であれば何度でも再入館可能なのも嬉しいサービス。(再入館スタンプが必要ですので、出口に設置している透明スタンプを手の甲に押してくださいね!)

2-2. 特別展「豊かな海をいつまでも~旅する水とめぐる海洋ゴミのいま~」

現在、名古屋港水族館で開催されている特別展の概要はこちら。

【イベント名】特別展「豊かな海をいつまでも~旅する水とめぐる海洋ゴミのいま~」
【展示期間】2021年12月18日(土)~2022年3月21日(月) ※4月10日(日)まで延長中
【テーマ】環境問題

特別展の目的は、
・人類が海洋に流出させたゴミや廃棄物について、現状や問題点を知ってもらうこと
・私たちができる解決方法をみんなで考えること
・SDGsの啓蒙活動

名古屋港水族館初の「環境問題」をテーマとした特別展。名古屋港水族館をメイン会場として、名古屋港ガーデンふ頭の4施設で同時開催。名古屋港水族館の近くにある下記の3施設でも特別展を開催しています。

・南極観測船ふじ「南極でゴミの処理・持ち帰り」
・名古屋海洋博物館「海洋ゴミ発生の仕組み」
・名古屋港ポートビル「名古屋港にスナメリがやってくる」

特別展の詳細はこちら

2-3. スタンプラリーで海洋ゴミの現状を知ろう

環境問題を知る特別展は水族館の入場料のみでご覧いただくことができますが、さらに楽しみながら環境問題を学ぶことができるよう、スタンプラリーを開催中。参加費は500円で、南館2階の入り口にて受付しています。(事前にオンラインでのお申し込みも可能)

絵本のようなストーリー仕立てのスタンプ冊子にスタンプを5個集めて物語を完成させると、ゴールで名古屋港水族館オリジナルの限定トートバッグがもらえます。

左:スタンプラリー冊子 右:オリジナルトートバッグ

名古屋港水族館では、この特別展で「海に流れ出るゴミ」を大きく取り上げています。2050年には海洋プラスチックの量が魚の総量を超えると言われており、海の生き物はもちろん私たち人間にとっても大きな問題に。その現状を知ってもらうため、特別展ではストーリー仕立てで、海洋中に流れ出たゴミの今を展示しています。

特別展を順路通りに見ていくと、スタンプスポットが出てきます。展示内容の一部を写真でご紹介!

スタートしてすぐの展示コーナー
海の中を探検しながら海洋ゴミの現状を伝えています
深い海の底までプラスチックゴミは沈んでいきます
水槽にはクラゲとプラスチック製の袋が一緒に入っています 
プラスチック製の袋を、クラゲと間違えて食べてしまう海の生き物もいます

3. 実験公開中!海洋中で分解するレジ袋

3-1. 分解実験の経緯

海洋ゴミの一つがプラスチック製レジ袋。2020年7月~レジ袋有料化がスタートし、私たちはレジ袋の使用について考え直す機会となりました。有料化対象外アイテムとして、“海洋生分解性プラスチックでできたレジ袋”という項目が。海洋中で分解するレジ袋は、水と二酸化炭素に分解され自然に還るので、海洋中でゴミになることがないため有料化の対象外アイテムになっています。

しかし、この海洋生分解性プラスチック製レジ袋が、本当に海の中で分解するのか?が気になるところ。名古屋港水族館ではそこにスポットを当て、レジ袋の分解実験水槽を設けています。

2021年4月に海洋生分解性プラスチック製レジ袋が大分県内のスーパーで初採用されましたが、海洋中で分解する様子を見ることができる公開実験は今回が初めて。水族館を訪れた人は誰でも“海洋生分解性プラスチック製レジ袋が本当に分解していくのか!?”という様子を見ることができます。

第三者機関の海洋生分解性実験(国際基準ISOに準拠した試験)では、1年間で約90%が分解されたとの評価を得ていますが、実際に魚と一緒の水槽でのレジ袋の変化を見ることができるのはこの特別展のみ

展示されている海洋生分解性プラスチック製レジ袋

3-2. 比較実験水槽をご紹介

名古屋港水族館では、特別展が始まる約3か月前の2021年9月16日に実験をスタートさせました。水槽内に魚が泳ぎ、実際の海洋環境と同じ状況をつくり、実験を行っています。

左側が海洋生分解性プラスチックを使ったレジ袋、右側が植物由来ポリエチレンを使ったレジ袋です。

※写真提供:名古屋港水族館

今回の実験では、大分県で採用された海洋生分解性プラスチック製レジ袋と同等素材で、製造からしばらく経過したアイテムを使用しています。

3-3. 4ヶ月後の変化はいかに!?

それでは、それぞれのレジ袋がどのように変化したのでしょうか?
実験開始から4か月が経過した現在の様子がこちら!

※写真提供:名古屋港水族館

左側の海洋生分解性プラスチック製レジ袋は、当初の姿とは異なる見た目になってきているのがお分かりいただけるでしょうか。乳白色に見えていた部分がなくなり、分解が進んでいる様子がよく分かります。

一方、右側の植物由来ポリエチレン製レジ袋には目立った変化はありません。

植物由来のプラスチックでできているレジ袋は、石油由来プラスチック製レジ袋と比較した場合、環境に配慮したアイテムと言えます。しかし、素材が植物由来であるとはいえ、海洋中では分解することができません。つまり、海に流れ出てしまうとプラスチックゴミとなる可能性が高いのです。

約1年で完全に形が消滅する海洋生分解性プラスチック製レジ袋。まだ実験途中の4ヵ月目ですが、分解の様子がハッキリと目に見えて分かるようになりました。今後さらに分解が進み、どのように形が消滅していくのかにも注目です!

引き続き、実験の様子を観察していきたいと思います。

(※水槽内でレジ袋の分解が進んでも、お魚たちは元気に泳いでいました。)

4. まとめ

海洋中で分解する“海洋生分解性プラスチック製レジ袋”の公開実験の様子はいかがでしたか。実際に分解が進んでいる様子がお分かりいただけたかと思います。

※実験開始~4ヵ月後の比較(写真提供:名古屋港水族館)

ご紹介した海洋生分解性プラスチック製レジ袋の分解実験は、特別展のほんの一部。
名古屋港水族館で行われている特別展「豊かな海をいつまでも~旅する水とめぐる海洋ゴミのいま~」では、この記事では紹介しきれない展示物がまだまだたくさんあります。どの展示も海洋ゴミや海の生き物について考えさせられるものばかり。
この機会に名古屋港水族館へ足を運び、私たちの生活を見直すきっかけにしてみてはいかがでしょうか。

また、キラックス×名古屋港水族館による海洋生分解性プラスチック製レジ袋の実験もぜひご覧ください!さらに分解が進んでいる様子を見ることができるかと思います。

<名古屋港水族館詳細>
〒455-0033 愛知県名古屋市港区港町1番3号
TEL:052-654-7080(代表) FAX:052-654-7001
団体予約・下見専用
TEL:052-654-1680 FAX:052-654-7499
営業カレンダーはこちら
※現在、土日祝は予約制となっております。詳細は公式HPをご確認ください。

<特別展詳細>
特別展「豊かな海をいつまでも~旅する水とめぐる海洋ゴミのいま~」
展示期間:2021年12月18日(土)~2022年3月21日(月)
メイン会場:名古屋港水族館 南館

※この記事で使用した画像はすべて転用禁止とさせていただきます。

※商品開発部まで
※事業部説明はこちらからご確認いただけます

株式会社キラックス
愛知県名古屋市港区土古町4-1
https://www.kiracs.co.jp/

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