人竹から佃煮袋まで!キラックスを支える製品に迫る~宝神工場編~

2021/01/26
食品包装資材
#パッケージング・システム事業部#商品紹介#オリジナル

パッケージング・システム事業部では、名古屋市港区に2つの工場を構えています。
約40年前から製造を続ける宝神工場と、キラックスに新たな風を吹き込むために設立された藤前工場です。どちらも私たちの生活に欠かせない食品を包む包装資材を作っています。

工場で作られている製品にはどんな特徴があるのでしょうか?
今回は、宝神工場で作られている紙製品を徹底解剖していきます!

1. ロウで食品を守る!キラックスの代表技術

宝神工場で製造されている商品のうち、最も多いのはロウ引き(ロー引き)製品です。ロウ引きの“ロウ”は“蝋(ろう)”を表し、 “ろうそく”もこれに由来します。
ロウ引きとは、原紙にワックス(パラフィン)加工を施すことで、紙に耐油・耐水性を持たせることができます。

宝神工場では4台のパラフィン塗工機を保有し、ロウ引き加工を行っています。ロウ引き製品は、大きく3種類に分類されます。

一つ目は人竹(じんちく)です。人竹とは人造竹皮のことで、竹皮の模様を印刷した紙にワックスを塗布した製品です。原紙に竹皮柄を印刷し、その後ワックスを塗布します。エンボス加工された原紙には凹凸ができるため、食品が滑りにくい仕様になっています。ワックスを塗布することで耐水性に優れ、食品が直接触れても安心です。発売以来、お肉の包装材として多くの精肉専門店やデパートでお使いいただいております。

二つ目はハイロンです。人竹の印刷なしタイプの商品で、人竹同様にエンボス加工とワックス塗布が施されています。和菓子の包装や、敷き紙としてご愛用いただいております。

三つ目はロー引紙です。これは純白紙という原紙にワックスを塗布したもので、人竹やハイロンのようなエンボス加工はありません。ツルツルとした紙で、さまざまな食材の合紙や包装材としてご使用いただけます。
ワックスペーパーとも呼ばれ、ラッピングや料理の敷き紙として100円ショップなどで販売されているものと同じものです。
別注印刷も可能であり、オリジナルのロゴやデザインを入れ、洋菓子の包装としてもお使いいただいております。

このように宝神工場ではロウ引きの技術を生かし、耐油・耐水性に優れた食品包装資材をメインに生産しています。

2. 創業から当社を支えるロウ引き製品誕生秘話

先ほどご紹介したロウ引き製品、実はキラックスの創業に関わる重要なアイテムなのです。

ロウ引き製品が誕生したのは約60年前。当時の食品包装と言えば、天然竹皮や経木が主流。竹の皮や木を薄くはいだものを乾燥させ、食品を包んでいました。天然の竹皮はカビや臭いが気になり不衛生であるとの声を聞き、当時 饅頭店を営んでいた創業者 吉良清は、新たな包装資材の製造に着手します。
自らが作るお饅頭を包むための包装材をもっと手軽に、もっと衛生的にできないかと考え、まずは無地の紙にワックスを塗布した資材を作ります。
キラックス自社製品第一号、ハイロンの誕生です。

その後、竹皮柄を印刷したものへと発展させ、人竹が誕生しました。1961年、吉良清は試行錯誤を繰り返し、人竹の製造機械化に成功。
1965年、キラックスの前身である「吉良紙工」が設立されます。

天然竹皮に変わる新たな包装資材としてハイロン・人竹は飛ぶように売れました。無地のハイロンだけでなく、柄付の人竹を発売したことで販路はさらに広がり、吉良紙工は1979年、現在の宝神工場へ製造工場を移転拡大させました。以来、宝神工場では人竹をメインとするロウ引き製品を作り続け、多くのお客様の元へお届けしています。

饅頭店が生み出した衛生的な包装材は、今も私たちの食卓を支え、キラックスを支え続けているのです!

3. 佃煮業界の愛用品、佃煮袋と言えばキラックス

キラックスの歴史の中で古くから製造販売しているアイテムが佃煮袋と呼ばれる袋です。その名の通り、佃煮を入れる専用の袋として発売しました。

クラフト紙の内側をラミネートし、さらに外側をワックス塗布したロウ引き製品です。耐油・耐水性に優れ、佃煮のように水気を含んだ食品に最適です。

袋の底は亀の甲羅のような六角形、ボディは寸胴で中身がしっかりと入るつくりです。ロウ引きした紙を袋状に貼り合わせる工程は、なんと手作業なのです!
細かく正確な技が必要となるため、佃煮袋を製造しているメーカーは多くありません。

近年では需要が減りつつありますが、古くからご愛用いただいているお客様のため、キラックスでは変わらぬ品質で佃煮袋をお届けしております。

4. ロウ引きだけじゃない!カットも得意なんです

宝神工場では、断裁機を2台保有しています。断裁機とは紙を切る機械で、お客様のご希望に合わせたサイズに紙をカットすることができます。

紙の材質に合わせて2台の断裁機を使い分け、最小70mm巾まで断裁可能です。宝神工場で製造したロウ引き製品のカットを始め、純白・クラフト・グラシン紙などさまざまな材質の包装紙のカットを行っています。

また、紙だけでなくポリ袋のカットも可能です。規格のラミネート袋の丈が長い場合には、宝神工場で断裁してお届けしています。

自社製品はもちろん、ポリ袋のような仕入商品のカットもご要望に応じてお受けしており、自社工場だからこそできる柔軟な対応もキラックスの強みの一つとなっています。

5. まとめ

ご紹介したように宝神工場では、古くからキラックスを支えてきたアイテムを数多く製造しています。

キラックスの起源となった人竹を初めとするロウ引き製品。
60年経った今でも食品を包む資材として活躍しているのは、キラックスの誇れる技術があるからこそ。

時代の変化とともに食品包装資材も進化してきましたが、キラックスが守り続けている変わらない技術もまた、包装業界を支えているのです。

「ロウ引きってどんな手触り?」
「色や柄は?お店の名前を入れた人竹を作ってみたい」など、
少しでもご興味いただけましたら、お気軽にお問い合わせください。
サンプルやカタログをお届けし、お客様のご要望に合ったご提案をさせていただきます!

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