「脱酸素剤」とは?乾燥剤、アルコール揮散剤との違いを比較&解説します

2024/05/22
食品包装資材
#パッケージング・システム事業部#商品紹介#専門知識

お菓子の個包装などに入っている「脱酸素剤」をご存知でしょうか?
脱酸素剤とは、密閉状態の袋に入れておくことで袋の中を脱酸素状態にする、鮮度保持剤の一種です。

  • 脱酸素剤って何?鮮度保持剤(品質保持剤)と何が違うの?
  • 乾燥剤と脱酸素剤って似ているけど、違いは?
  • お菓子の鮮度を保ちたいけど何を使えばいいかわからない

このような悩みをお持ちの方、必見です!
こちらの記事では脱酸素剤について解説し、さらに乾燥剤やアルコール揮散剤など
その他の鮮度保持剤との比較&解説をまとめています。

脱酸素剤の使用時に欠かせない、ガスバリア袋については下記記事へ
【食品業界の方 必見!】ガスバリア袋の種類 比較してみました

1.脱酸素剤とは

柔らかいケーキから硬いお煎餅まで、あらゆる食品の包装内に「鮮度保持剤」と呼ばれる薬剤が入っています。
鮮度保持剤とはその名の通り、食品の美味しさや安全性を保持するためのもの。

この鮮度保持剤の中の一種が、今回のメインテーマである「脱酸素剤」です。
脱酸素剤にはどのような役割があるのか?使用されている場面とあわせて紹介していきます。

1-1.脱酸素剤について解説します

「脱酸素剤」とは、密閉状態の袋に入れておくことで本体が袋内に残った酸素を吸収し、袋内を脱酸素状態にする鮮度保持剤
脱酸素状態で食品を保存することで、酸化による風味・見た目の変化、さらにカビや細菌の増殖を防ぎ、食品の鮮度を保つことができます。

食品の美味しさに欠かせない油脂ですが、酸素に触れて酸化することで劣化し、私たちの体にとって有害なものに変化してしまいます。
そのため、そのまま置いておくとすぐ悪くなってしまう“しっとりした食品”に、脱酸素剤が使用されることが多いです。

【脱酸素剤】
主な対象食品 :パウンドケーキ、マドレーヌなどのしっとりした焼き菓子、饅頭、半生菓子 など
食品以外の用途:医薬品、化粧品の品質保持(酸化防止)、衣類やリネン類のカビ対策 など

1-2.脱酸素剤の成分は?

食品や医薬品、化粧品など幅広いジャンルの鮮度保持、さらに防カビにも重宝されている脱酸素剤。
その気になる成分はどのようなものなのでしょうか。

脱酸素剤には「鉄系」「非鉄系」と2種類あり、成分が異なります。

鉄系脱酸素剤の主な成分は、特殊処理された鉄粉
さらに食塩、水、天然鉱石(ゼオライト)を混ぜ合わせて作られています。鉄系脱酸素剤の場合、鉄が錆びるときに酸素を吸収(結合)する性質を利用し、包装内の酸素を取り除いています。
また、袋を開封した際に流れ込んできた空気中の酸素と反応し、一時的に発熱することも。これは使い捨てカイロが発熱する仕組みと同じものです。

非鉄系脱酸素剤の主な成分は、ビタミンCなどの有機系物質
ビタミンCなどの物質が酸素と反応した際、酸素を吸収する性質を利用して包装内の酸素を取り除いています。
こちらは鉄を使用していないため、金属探知機に検知されにくくなっています。

2.乾燥剤、アルコール揮散剤との違いについて

ここまで脱酸素剤に焦点を当てて解説してきましたが、鮮度保持剤の種類は脱酸素剤だけではありません。
同じようにお菓子などに使用されている鮮度保持剤として「乾燥剤」「アルコール揮散剤」があり、サイズや形状も似ています。
ここではそれぞれの特長を解説し、脱酸素剤との違いを比較していきます。

2-1.乾燥剤とは

乾燥剤とは、密閉された空間の中の水分(湿気)を吸収し、乾燥状態を維持する鮮度保持剤です。
サクサク、パリパリした食感を残したいものなど、湿気により品質低下を起こしてしまう食品に使用されています。

主な乾燥剤の種類は大きく分けて下記の3つ。それぞれ吸湿時の仕組みや原料が異なります。

(1).「シリカゲル」
取り扱いが簡単で、様々なお菓子の包装に使用されている代表的な乾燥剤です。乾燥剤本体の小さな孔に水分を吸着しますが、結合力が弱いため気圧の変化などの外的要因で放湿してしまうことも。

(2).「石灰乾燥剤」
主に耐油耐水紙で作られた白い小袋に入っている乾燥剤。吸湿後、放湿することがなく長期間の使用が可能です。原料の酸化カルシウムは、水分と反応して水酸化カルシウムへと変化。水に濡れたり多量の吸湿によって発熱する危険性があるため、取り扱いには注意が必要です。

(3).「シート型乾燥剤」
原料となる塩化カルシウムと紙を合わせたシートタイプの乾燥剤。
袋状の乾燥剤のように破袋の危険性が無く、中身の誤飲防止に役立ちます。
また、包装内では商品の台紙がわりに使用できるため、内容物の割れを防ぐこともできます。

【乾燥剤】
主な対象食品 :クッキー、パイなどサックリ食感の焼き菓子、おかき、煎餅、海苔などパリッとした食感のもの
食品以外の用途:医薬品、衣料品、機械・金属(錆び防止) など

2-2.アルコール揮散剤とは

アルコール揮散剤とは、包装袋もしくは包装容器の中でアルコール(エタノール)を揮散させ、食品のカビを防ぐ機能を持つ鮮度保持剤です。酸素を吸収しないため食品が圧迫されず、作りたての柔らかさを保つことが可能。
脱酸素剤と同じく、そのままではすぐに悪くなってしまう“しっとりした食品”に使用されることが多いです。

脱酸素剤との相違点としては、下記の特徴が挙げられます。

  • ガスバリア袋の使用が必要無く、包装コストを抑えられる
  • 油脂の酸化防止効果はない
  • 本体がアルコールを揮散するため、食品ににおいが移る可能性がある

【アルコール揮散剤】
主な対象食品 :パウンドケーキ、マドレーヌ、マフィンなどのしっとりした焼き菓子、ロングライフパン など

2-3.鮮度保持剤3種、それぞれの違いを比較!

代表的な鮮度保持剤として知られる脱酸素剤と乾燥剤、アルコール揮散剤の解説を終えたところで、それぞれの比較をしてみました。

対象としている食品や用途が異なるため、正しく鮮度保持を行うためには適切な鮮度保持剤を選択することが重要になってきます。

食品包装内で目にすることが多く、サイズ感も似ている脱酸素剤と乾燥剤。
脱酸素剤は主に“しっとりした食品”に使用され、油脂の酸化や細菌の増殖を抑える機能を持ちます。
反対に、乾燥剤が持つ機能は“サクサクした食品”の食感を損なわないよう、湿気を抑える機能
脱酸素剤と乾燥剤は、対象となる食品から機能まで全く異なる薬剤なのです。

一方、脱酸素剤とアルコール揮散剤では対象となる食品は似ていますが、
それぞれの機能とガスバリア袋の必要性が異なります。

また、3つの共通点としては「カビの発生を抑える」こと。
どの鮮度保持剤を使えば良いかわからない といった方は、まずは中身の食品と保存時に持たせたい機能を明確にしましょう。

3.まとめ

以上で脱酸素剤の解説と乾燥剤・アルコール揮散剤との比較記事を終わります。

鮮度保持剤について、理解を深めていただけましたでしょうか。

  • 脱酸素剤とアルコール揮散剤どちらが良いのかわからない
  • 乾燥剤はどの種類を使えば良いのかわからない
  • 使いたい鮮度保持剤は決まったけど、色んなメーカーのものがあって選びきれない!

という方は、是非 弊社キラックスへご相談ください。
中身の食品や包装時のご希望などお伺いし、お客様に最適な鮮度保持剤をご提案させていただきます。

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