ナイロンポリ袋って? 機能比較&最適な袋選びをお手伝いします

2024/01/29
食品包装資材
#パッケージング・システム事業部#専門知識
ナイロンポリ袋って? 機能比較&最適な袋選びをお手伝いします

食品の包装に使われることの多い、ナイロンポリ袋。
製造メーカー・種類ともに多く、「ナイロンポリ袋」と検索しただけでも凄い数のアイテムが出てきます。

それらの違いといえば、サイズ・形状はもちろんですが、素材もそれぞれ異なります。
見た目は同じように見えますが、素材の違い次第で耐熱・耐冷凍など機能も様々。

  • 食品を入れるナイロンポリ袋を探している
  • 中身や用途に合う袋がわからない
  • 袋の種類が多く、選ぶのが大変…

このようなお悩みを抱えている方 必見!
この記事では、ナイロンポリ袋に持たせられる機能とその素材の例をまとめ、比較します。

食品包装袋の「材質」についてはこちら
「フィルム構成」についてはこちら

1.そもそもナイロンポリ袋ってどんなもの?

初めに、“ナイロンポリ袋”がどのようなものなのかをご説明します。
ナイロンポリ袋とは、外層にナイロン素材、最内層にポリエチレン素材を使用した「ナイロンポリエチレン袋」のこと。通称「ナイロンポリ袋」と呼ばれています。

  • 強度・耐熱性に優れたナイロン素材
  • 柔軟性・加工性に優れたポリエチレン素材

二つを合わせることでポリエチレン素材のみを使用した一般的なポリ袋より丈夫になり、真空包装やボイル、冷凍などにも適しています。

2.主な機能・素材例をご紹介!

ナイロンポリ袋の概要がわかったところで、早速主な機能と素材例をご紹介します。

素材例の紹介で使用されるフィルムの表記と、フィルム同士の貼り合わせ(ラミネート)方法については、
下の表をご確認ください。

〇今回 記載しているラミネート方法について、詳しくは下記記事で解説しています。
今さら聞けない!押し出しラミネートとドライラミネートの違いを大公開
工業系ラミネートとは?加工方法から使用例までご紹介!

【フィルムの表記】

【貼り合わせ方法】

2-1.バリア性

1つ目は「バリア性」。バリア性とは、水・気体・においなどの通しにくさのこと。
特に「ガスバリア性」と書かれている場合、湿気や酸素などの気体の通しにくさのことを表しています。

食品は湿気による水分や外気に触れることで、品質が低下してしまいます。そのため、バリア性に優れている袋を使用することで内容物が守られ、食品の品質を維持することができるのです。

素材例:バリアNY/ドライ/LLDPE、バリアNY/SPE/LLDPE
食品例:液体スープ、漬物、半生麺、半生菓子(例:パウンドケーキ、どら焼き) など

2-2.ボイル対応

2つ目は「ボイル対応」。「ボイル対応」とは、ボイル殺菌に対応しているかを示しています。

ボイル殺菌とは、水が沸騰する100℃までのお湯で加熱すること。
一般的に「湯煎」と呼ばれており、100℃以下の加熱で死滅する細菌を殺菌するために行います。

また、一口にボイル殺菌対応と言っても、袋の種類によって耐熱温度や時間は様々。
使用前に内容物の殺菌に必要な温度・時間とあわせて確認しておくことが重要です。

素材例:NY/ドライ/LLDPE、バリアNY/ドライ/LLDPE
食品例:こんにゃく、惣菜、水産加工品 など

2-3.レトルト対応

3つ目は「レトルト対応」。「レトルト対応」とは、レトルト殺菌に対応しているかを示しています。

レトルト殺菌とは、蒸気や加圧熱水を利用し、100℃を超える温度で加熱を行うこと。
先ほど解説した、ボイル殺菌の100℃未満の加熱では死滅しない細菌を殺菌するために行います。

レトルト殺菌の中では下記の2種類に分かれます。
・120℃未満の温度で殺菌するセミレトルト殺菌
・それ以上の温度(最大135℃程度)で、殺菌するハイレトルト殺菌

ボイル殺菌と同様、袋の使用前に耐熱温度・時間を忘れずに確認しましょう。

素材例:NY/ドライ/レトルトLLDPE(セミレトルトのみ対応)
    PET/ドライ/NY/ドライ/レトルトCP(セミレトルト、ハイレトルト対応)
    PET/ドライ/AL/ドライ/NY/ドライ/レトルトCP(セミレトルト、ハイレトルト対応)
食品例:カレー、パスタソース、丼ぶりの素 など

2-4.真空対応

4つ目は「真空対応」です。包装時に袋内の空気を除去する真空包装が可能かどうかを表しています。

真空とは、通常の大気圧より低い圧力の気体で満たされている状態のこと。
真空包装をすることで、酸素との接触が無くなり食品の酸化を防ぎます。
菌の増殖や栄養分の損失を抑え、出来立ての美味しさも逃げにくいため、食品を長持ちさせることが可能です。

素材例:NY/SPE/LLDPE、NY/ドライ/LLDPE、バリアNY/ドライ/LLDPE
食品例:ハム、ソーセージ、魚の切り身 など

2-5.冷凍対応

5つ目の機能は「冷凍対応」。マイナス40℃の冷凍保存に対応できる“耐寒性”のことを表しています。

耐寒性を備えていない袋を冷凍してしまった場合、もろくなり崩れやすくなる可能性があります。
冷凍対応の袋は輸送時などの衝撃にも耐えられるよう、通常の袋より厚みがあり、強度も高く作られています。

素材例:NY/SPE/LLDPE、NY/ドライ/LLDPE、バリアNY/ドライ/LLDPE
食品例:冷凍惣菜、冷凍パン、冷凍スイーツ など

2-6.ナイロンポリ袋を選ぶ際の注意事項

最後にナイロンポリ袋を選ぶ際の注意事項をQ&Aでお伝えします。

Q1.全ての機能が揃っている袋を買えば、どんな食品にも使えて便利なのでは?

A1.便利ではありますが、備わっている機能が多いほど袋の価格が上がっていきます。同時に対応できない機能もあるので注意が必要です。
【解説】
沢山の種類の中から袋を探すのは大変ですし、販売したい食品が複数ある場合、「とにかく多くの機能を備えている袋を買っておけば、袋探しの手間が省けるかも!」と思われるかもしれません。
しかし、多くの機能を持ったナイロンポリ袋は価格も高くなってしまいます。各商品に合わせた袋をそれぞれ選び購入した方が、価格を抑えられます。

Q2.レトルト殺菌(100℃以上)対応の袋を選んでおけば、ボイル殺菌(100℃以内)にも対応できるの?

A2.レトルト殺菌対応の袋の多くが、ボイル殺菌には対応していません。
【解説】
この二つの殺菌方法ではかかる圧力が大きく異なります。
レトルト殺菌装置では圧力調整が行われるため、袋の耐圧強度はそこまで求められていません。
ですが、ボイル殺菌装置では圧力調整が行われないため、レトルト対応の袋を使用した場合に破損の危険性があります。

Q3.ナイロンポリ袋を選ぶ際に気を付けることは?

A3.商品の原材料や周囲の環境、求める仕様を明確にすることが大切です。
【解説】
食品をナイロンポリ袋に入れたとき、原材料や周囲の環境によっては袋の機能が合わないことも…
食品の原材料、においの有無、製造から販売までの環境までを把握しておくことで、袋選びに失敗するリスクを減らします。
また、賞味期限をどのくらい持たせたいか などによっても最適な材質が変わってくるため、商品に求める仕様も明確にしておきましょう。

3.機能はわかったけど…種類が多くて選べない!

これまでナイロンポリ袋に持たせられる主な機能を紹介してきました。
ここからはまだ欲しい袋を決めきれていない方、これから袋を探そうとしている方必見の内容です。

3-1.資材選びはキラックスにお任せください

記事を読んでいただいた方の中には
「機能のことはわかったけど、販売されている袋の種類がとにかく多くて選べない!」
と、お困りの方もいるかと思います。

ですが、ご安心ください!
弊社キラックスに在籍する包装資材のプロにより、お客様に最適なナイロンポリ袋を選定&ご提案させていただきます。

3-2.必要な情報は2点だけ!

キラックスからナイロンポリ袋をご提案させていただくにあたり、
最初にお伺いしたい情報は

  • 内容物(サイズや重量)
  • 持たせたい機能(加工において必要な機能)

こちらの2点のみです。

身近な例で例えると、
「保存が効くハムを入れたい」という場合は真空対応&バリア性を持った袋
「レトルトカレーを入れたい」という場合はレトルト対応の袋をご提案。

さらに、レトルト殺菌(もしくはボイル殺菌)を行う際は“何度でどのくらいの殺菌時間が必要か” ということも併せてお伺いできれば、よりスムーズで的確なご提案が可能です。

4.まとめ

以上でナイロンポリ袋の比較記事を終わります。

本記事で紹介したナイロンポリ袋に持たせられる主な機能は、
バリア性・ボイル対応・レトルト対応・真空対応・冷凍対応の5つ。
他にも、レンジ対応・静電気防止・印刷対応・ホワイトフィルム・カラーフィルム・アルミ素材・注ぎ口(スパウト)付・チャック付など多くの製品があります。

また、袋を選ぶ際には内容物・持たせたい機能を確認しておくことが重要です。

種類が多くて選べない、自分では自信がない…といった方は、
是非キラックスにご相談ください!
お客様からのヒアリングをもとに、最適なナイロンポリ袋をご提案させていただきます。

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