【食品業界の方 必見!】ガスバリア袋の種類 比較してみました

2024/03/28
食品包装資材
#パッケージング・システム事業部#専門知識
【食品業界の方 必見!】ガスバリア袋の種類 比較してみました

「ガスバリア袋」というアイテムを知っていますか?
ガスバリア袋とは、気体を通さない「ガスバリア性」という機能を持つ袋のこと。内容物を空気から守り、品質低下を防ぎます。

  • 食品の品質保持ができる袋を探している
  • 真空パックにできる袋を探している
  • ガスバリア袋を使いたいけど、どれを選べば良いかわからない

こんなお悩みを抱えた方、ご安心ください!
この記事では、ガスバリア袋の解説とあわせて
ガスバリア性を高めるためにおすすめな材質をランキング形式で比較します。

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1.ガスバリア袋とは

ガスバリア袋とは、どのような袋なのか?一般的な袋と何が違うのか?
冒頭で少し触れましたが、こちらで詳しく解説します。

1-1.一般的な袋との違い

ガスバリア袋とは、湿気や酸素などの気体を通さない“ガスバリア性”を持つ袋のことで、食品包装において重要な存在です。

食品の品質や栄養成分低下の大きな原因は、湿気や酸素などを含む空気に触れることで起こる“酸化”。
ガスバリア性を持つ袋を使用することで、内容物を空気から守り、酸化による品質低下を防ぎます。
ガスバリア性のない一般的なポリ袋などを使用した場合、口を閉じても袋本体が気体を透過するため、内容物の酸化が進んでしまいます。

そのため、真空パックでの販売や長期保存を希望している場合は、ガスバリア袋の使用が欠かせません。

1-2.なぜ気体を通さないの?

ガスバリア性を持つ袋と持たない袋の違いはずばり、袋の表面。
パッと見は同じように見えますが、ガスバリア性を持たない袋はフィルム面からじんわりと気体が透過してしまいます。つまり、封や穴などが開いていない場合でも、気体が袋の内外を出入りしてしまうのです。

一方、ガスバリア袋は複数のフィルムを組み合わせることで気体の透過を防ぎ、遮断することができます。

また、組み合わせるフィルムの材質や厚みなどによって、袋のガスバリア性能は変わってきます。
性能を高くすると、同じように高くなるのが袋の価格。袋選びに失敗することのないように、そして予算内で用意できるように、用途に合うガスバリア袋はどのようなものか?を知っておくことが大切です。

2. ガスバリア性の高さ 材質別ランキング

ここからは、材質によって異なるガスバリア性の高さをランキング形式で紹介します。
主な内容物も一緒に紹介しているので、参考にしていただけますと幸いです。

※こちらで紹介するものは、一般的な素材でのランキングです。グレードによってガスバリア性・価格ともに前後する可能性がありますので、詳細はお問い合わせください。

第1位:アルミ箔

ガスバリア性の高さランキング 第1位!最もガスバリア性の高い素材は「アルミ箔」です。

茶葉やドリップコーヒーなどの袋に多く使われているため、身近に感じる方も多いのではないでしょうか。
実は、どちらも非常にデリケートな食品なんです。お茶やコーヒーにとって大切な風味や香りは、空気や湿気に触れることで劣化してしまいます。
そのため、ガスバリア性能が最も高いアルミ箔を使用した袋で守りながら保管されています。

しかし、性能の高さ故に価格も高いアルミ箔。
見た目はよく似ていますが、価格を抑えた「アルミ蒸着」という素材もあります。(アルミ蒸着についてはランキングの第4位で紹介しています。)

ガスバリア性:★★★★★
価格の高さ :★★★★★
主な内容物 :茶葉、ドリップコーヒー など

第2位:Kコートフィルム(Kナイロン、KPET、KOP など)

第2位は、「Kコートフィルム」です。

Kコートフィルムとは、フィルムの片面にPVDC(ポリ塩化ビニリデン)をコーティングしたもの。PVDCの効果によってバリア性がアップしています。
コーティング前の通常のフィルムと比較すると若干フィルムの色が黄色いことが特徴で、製造から年数が経ったものや複数枚重なったものを見ると、色の変化が目立ちます。

バリア性や保香性に優れるKコートフィルムですが、1990年代後半、PVDCに含まれる塩素がダイオキシン発生の原因になってしまうと問題視されるようになりました。焼却温度が約250〜400℃(低温)の際に不完全燃焼となり、発生してしまうダイオキシン。その解決策として焼却方法の見直し・改善を行い、800℃以上の高温で焼却を行うことに。
その結果、ダイオキシンの発生量は大きく減少し、Kコートフィルムを包装資材として使用することに関して問題がなくなりました。

ガスバリア性:★★★★
価格の高さ :★★★★
主な内容物 :鰹節、アオサ(海苔)など

第3位:透明蒸着フィルム(透明蒸着PET)

第3位は、「透明蒸着フィルム」です。

透明蒸着フィルムとは、酸化アルミニウム(アルミナ)や酸化ケイ素などの無機物を高温で蒸発させ、フィルムの表面に付着させたもの。透明な薄い膜を貼り付けるため、もとのフィルムとの見た目の変化はほとんどありません。

環境に優しいフィルムとされており、アルミやKコートフィルムのように環境問題の点で懸念されつつあるフィルムの代替品として、使用実績が増加しています。

ガスバリア性:★★★
価格の高さ :★★★
主な内容物 :スナック菓子、医薬品 など

第4位:アルミ蒸着フィルム(アルミ蒸着PET)

第4位は、「アルミ蒸着フィルム」です。

アルミ蒸着フィルムとは、アルミを高温で蒸発させ、フィルムの表面に付着させたもの
“フィルムにアルミの薄い膜を貼り付けた状態”と聞くと、イメージしやすいかもしれません。

アルミ箔よりガスバリア性能は劣ってしまいますが、アルミの使用量が大幅に削減されたことで、価格を抑えられるのが魅力です。

ガスバリア性:★★
価格の高さ :★★
主な内容物 :ナッツ、珍味 など

第5位:バリアナイロン

第5位は、「バリアナイロン(バリアOP)」です。

バリアナイロンとは、通常のナイロン素材にバリア性を持たせたもの。
ナイロンは耐衝撃性や耐熱性・耐寒性などに優れており、強度の高い素材として真空や液体の食品包装に重宝されています。

そんなナイロンが持つ強度はそのままに、バリア性も兼ね備えたバリアナイロンは、他素材とラミネートすることでさらに性能をアップさせ、幅広い食品の包装資材として使用されています。
今回ご紹介した中で最も安価で、取り入れやすい素材です。

ガスバリア性:★
価格の高さ :★
主な内容物 :冷凍食品、漬物、和洋菓子 など

3.まとめ

以上でガスバリア袋の解説と材質の比較を終わります。

ガスバリア袋とは、湿気や酸素などの気体を通さない“ガスバリア性”を持つ袋のこと。

材質については、ガスバリア性の高いものから
アルミ箔、Kコートフィルム、透明蒸着フィルム、アルミ蒸着フィルム、バリアナイロン
という順番になります。

しかし、ガスバリア性の高さに伴い変動してくるのが価格。予算も考慮しつつ、内容物に適した材質を選択することが求められます。

袋選びに迷ってしまう方は、お気軽にキラックスにご相談ください。
お客様のご希望・ご予定している内容物に合わせたガスバリア袋選びをお手伝いさせていただきます。

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