5分で読める!プラスチック食品容器の素材について解説
スーパーのお弁当やお惣菜、飲食店のテイクアウト容器には、多くの場合プラスチックの食品容器が使われています。
使い捨て食品容器で最も大切なのは、食品を安全かつ美味しい状態で届けること。
その条件を高いレベルで実現できるのが「プラスチック」なんです。
- 食品容器に使われているプラスチックってなにがあるの?
- 内容物に合わせて、どの容器の材質が向いているの?
本記事では、食品容器に使われている代表的なプラスチックの素材について解説します。
各素材の特徴を正しく理解することができます。
上記のようなお悩みをお持ちの方はぜひご一読ください!
INDEX
1.プラスチックについて

プラスチックとは、熱や圧力を加えることによって成形・加工できる樹脂のこと。
使い捨て食品トレーや容器には、加熱すると柔らかくなり、冷やすと再び固くなる性質を持つ「熱可塑性樹脂」が使われています。
すなわち、加熱して溶かした樹脂を金型へ流し込み成形することで、スーパーなどの売り場でよく見かける肉や魚を入れた食品トレーや弁当容器が出来上がるんです!
2.プラスチックの種類にはどんなものがあるの?
早速、プラスチックの素材について解説していきます。
プラスチック製の食品容器に使われている代表的なプラスチックは下記の通り。
2-1.PP(ポリプロピレン)系素材
・PP(ポリプロピレン)
耐熱性、耐油性に強い素材で、惣菜を入れるフードパックや弁当容器に使用されています。
曲げても折れにくく、調理したての温かい食材をそのまま入れることが可能。
電子レンジでの加熱に対応しているので、購入後の温め直しも簡単!
※オーブンやグリルには使用しないでください。また、必ず盛り付ける食材で電子レンジ加熱テストを行ってください。
おすすめ用途:惣菜、弁当容器

・PPF(フィラー入りポリプロピレン)
「フィラー」とは、プラスチックに混ぜる粉状の材料の総称のこと。
フィラー入りポリプロピレンは、ポリプロピレンにタルクという石を混ぜることで、耐熱温度を130℃まで高めた素材です。
電子レンジに対応し、油分を多く含んだ食品にも使えるため、惣菜、弁当容器に適しています。
※断熱性はないため、熱い食品を入れた際の火傷などにはご注意ください。
おすすめ用途:惣菜、弁当、どんぶり容器

2-2.PS(ポリスチレン)系素材
・PSP(発泡ポリスチレン)
ポリスチレンを膨らませたもので、体積の90%以上が空気なので非常に軽く、クッション性のある素材です。
精肉や鮮魚などの食品トレーに使われており、スーパーなどでよく利用されている汎用トレーです。
食品の温度を一定に保つ断熱性があり、成形しやすいことから食品容器以外でも幅広く使われているのも特徴。
※電子レンジやオーブンでの加熱はできませんので、ご注意ください。
おすすめ用途:精肉、鮮魚、寿司容器

・HIPS(ハイインパクト・ポリスチレン)
「ハイインパクト」とは、“高い衝撃強度”という意味。
ポリスチレンに衝撃耐性を高めるゴムの粒を混ぜて、割れにくくした素材です。
成形のしやすさから細かい凹凸、曲線などの複雑な形状を再現できるため、刺身や寿司容器によく使われています。
また、内容物に合わせて色や柄、デザインのバリエーションを楽しむことも可能。
※電子レンジやオーブンでの加熱はできません。
おすすめ用途:麺類、寿司、おせち容器やオードブル容器

2-3.PET系素材
・OPS(2軸延伸ポリスチレン)
「2軸延伸」とは、ポリスチレンを縦横に引っ張って伸ばして強度を上げる加工のこと。
この加工により、OPSならではの高い透明性と光沢が生まれます。
また、強度があるので薄くても形状が崩れず、軽量でシャープな設計が可能。
蓋の素材やフルーツカップの容器として重宝されています。
※電子レンジやオーブンでの加熱はできません。
おすすめ用途:弁当容器の蓋、フルーツカップ

・透明A-PET(非結晶ポリエチレンテレフタレート)
ペットボトルにも使用されている素材で、非結晶タイプは特徴として透明性と耐油性が挙げられます。
衝撃に強く、割れにくいため扱いやすさは◎。
油分のある食品を入れても白濁しにくく、惣菜やドレッシング入りのサラダにも用いることができます。
※電子レンジやオーブンでの加熱はできません。
おすすめ用途:サラダ、フルーツ、冷惣菜容器

3.各素材を比較してみよう!
先ほどご紹介したプラスチックについて、耐熱温度・耐熱性(レンジ対応)・耐油性・透明性の項目で特徴を比較した表がこちら。

※表はあくまでも一例です。
・電子レンジの使用に対応できるのはPP、PPF
・耐油性があり、油分の多い惣菜にも使用できるのはPP、PPF、PET
・高い透明性をアピールできるのはPET、OPS
・高級感のある見た目と安定した成形を実現できるのはHIPS
間違った使い方をすると、変形や破損などのトラブルに繋がってしまう可能性も。
食品を美味しく安全にお客様へ届けるためにも、実際に容器を選ぶ際は、それぞれの素材の特徴を正しく理解することが大切です。
4.容器メーカー別!独自素材をご紹介
上の表の通り、すべての条件を満たした完璧な素材はありません。
しかし各容器メーカーでは、デメリットの部分をカバーした独自素材を開発しています。
4-1.㈱エフピコ独自素材「MSD」
MSD(マルチSD)は、PS系素材が苦手としている耐熱性・耐油性を補うために開発されました。
マルチとは「多機能」を意味し、機能性・利便性・見た目をバランスよく満たした素材です。
従来のPS系素材よりも耐熱温度が高く、電子レンジの使用にも対応。シャープな形状で光沢感があるため、売り場で映えるデザイン性の高さも特徴です。
弁当や惣菜、どんぶり容器など、温め直して食べたい用途の食品容器に使われています。

4-2.中央化学㈱独自素材「SD」
SD(スマートダッシュ)は、PP系素材のデメリットである断熱性の低さを補うために開発されました。
耐熱性・耐油性を併せ持った独自の素材で、電子レンジももちろんOK。
また、2013年にグッドデザイン賞を受賞したおしゃれなデザインも魅力的。
主に惣菜容器として使われており、「見た目の美しさ」を追求したい用途にぴったりです。

4-3.リスパック㈱独自素材「バイオC-PET」
「バイオマス」とは、植物由来の資源のこと。リスパック株式会社はこのバイオマスプラスチックを使用した素材を全11種類展開しています。
その一つであるバイオC–PETは、今年の10月に発表されたばかりの新素材。
PET素材のメリットを活かしながら、耐熱温度を220℃まで高めているため熱にとても強いことが特徴です。
電子レンジだけでなく業務用のスチコンにも対応可能なので、プリンなどのスイーツからグラタンなどの温かい惣菜まで幅広く使われています。

4-4.シーピー化成㈱独自素材「バイオBF」
バイオBFは、シーピー化成株式会社が独自開発した「CP Bio」シリーズの素材のひとつ。
低発泡ポリスチレンに植物由来のプラスチックを混ぜたもので、従来の低発泡素材の特徴である断熱性、温かさをキープできる保温性などのメリットを維持しながら、環境負荷の低減に貢献しています。
実用性とエコを両立しており、電子レンジにも対応しているため弁当、惣菜、軽食、など幅広い用途の食品容器に利用されています。

今回は、容器メーカー4社が独自に開発した素材をピックアップしてお伝えしました。
食品をよりおいしそうに、より安全に届けるために容器素材の開発は日々研究されています。
各メーカー様は、変わり続ける市場のニーズに応えるため、改良や統合を重ねながら新たな価値を持つ素材を生み出しています!
次はどのような素材が開発されるのかワクワクしますね。
5.まとめ
ここまで、使い捨て食品容器に使われている主なプラスチック素材とその特徴をご紹介しました。
素材の特徴を正しく理解することは、安心安全な容器選びの第一歩。
見た目だけではなく、商品の鮮度や安全性を守ることにもつながります。
株式会社キラックスでは、お客様の用途に合わせて最適な食品トレーや容器をご提案しています。
「こんな食品容器を探しているんだけど…」など、お困りごとがありましたらお気軽にご相談ください!