知って得する!グリーンプラマークから生分解性プラマークへの変更

2021/08/31
環境製品
#商品開発部#環境にやさしい#生分解性プラスチック#専門知識

生分解性プラスチック製品に表示されるグリーンプラマークが2021年7月に変更になりました。これまで使用してきたグリーンプラマークが廃止され、新たに「生分解性プラマーク」が採用されています

「グリーンプラマークって、どんな意味があるんだっけ…」
「グリーンプラマークが新しくなるって聞いたけど何が変わるの?」

そんな方へ、グリーンプラマークの認定協会会員である株式会社キラックスが、グリーンプラマークの変更についてご説明いたします。

この記事の前半では、グリーンプラマークの意味と歴史をご説明し、後半では今年7月から変更となった生分解性プラマークについてお話しています。

この記事をご一読いただければ、グリーンプラマークの変更についてお分かりいただけるでしょう。

1. グリーンプラマーク20年の歴史

1-1. グリーンプラマークってどんな意味?

「グリーンプラマーク」とは、生分解性プラスチックを使用した製品に表示することができる認証マークです。生分解性プラスチックとは、微生物によって分解し自然に還る性質を持つプラスチックのこと。生分解性があるプラスチックは、最終的に水と二酸化炭素に分解されるため、環境にやさしい素材であると言われています。
(◎生分解性プラスチックについてはこちらの記事で解説しています)

グリーンプラマークの基準は下記の通り。

1.全ての構成材料(成分)はポジティブリストに登録されていなければならない。
2.構成材料としてポジティブリストの分類Aに登録された生分解性合成高分子化合物を含まなければならない。
3.生分解性合成高分子化合物(ポジティブリスト分類A)と天然有機材料(ポジティブリスト分類B-8)の総計を50.0重量または体積%以上含むものでなければならない。
4.1重量%以上含まれるすべての有機材料は、当委員会が指定する生分解性試験において60%以上の生分解度が確認されたものでなければならない。
5.1重量%未満の非生分解性有機材料の合計量は、5重量%未満でなければならない。含まれる特定元素の量は、上限値を超えてはならない。

厳しい基準をクリアし、認定されたた製品にのみ、グリーンプラマークを表示することができます。

1-2. グリーンプラマークの認定協会

グリーンプラマークを認定しているのは、日本バイオプラスチック協会(通称:JBPA)。同協会は、バイオプラスチック(バイオマスプラスチックと生分解性プラスチックの総称)の普及促進や評価制度の確立を目的として設立された民間団体です。

1989年「生分解性プラスチック研究会」として発足し、2000年にグリーンプラ識別表示制度の運用を開始、2006年には植物由来のプラスチックのバイオマスプラ識別表示制度を運用開始しました。

2007年に現在の「日本バイオプラスチック協会」に名称変更しています。発足から30年以上に渡り、持続可能な循環型社会形成のために活動を続けてきました。

2.知って得する!グリーンプラマークの変更

生分解性プラスチック製品に表示することのできるグリーンプラマークは、2021年7月から新たな名称「生分解性プラマーク」に変更となりました。ここでは、グリーンプラマークから生分解性プラマークへの変更についてお話していきます。

2-1. グリーンプラマーク20年の歴史

20年以上前にスタートしたグリーンプラ識別制度。運用開始当時、一般的に生分解性プラスチック製品に対する認知度が低く、消費者にはほとんど知られていませんでした。

そこで、日本バイオプラスチック協会は、消費者にも分かりやすいマークを表示し、生分解性プラスチック製品と一般プラスチック製品を識別するため、グリーンプラ識別表示制度を制定しました。それ以降20年に渡って、グリーンプラマークは生分解性プラスチック製品の正しい使用方法と普及促進のために運用されてきました。

2-2. 「生分解性プラマーク」の誕生

20年以上使用されてきたグリーンプラマークですが、2020年6月監督官庁より指摘を受けることになります。

「グリーンプラという名称が植物由来のプラスチックを想起させる。一般消費者の方は生分解性プラスチックと理解しないのではないか」

これを受け、日本バイオプラスチック協会ではグリーンプラ識別表示制度の名称変更を決定しました。変更内容は下記の3点。

  1. 制度名称:グリーンプラ識別表示制度
    →「生分解性プラ識別表示制度」へ
  2. 制度内容:グリーンプラの名称廃止
    →「生分解性プラ」と称する
    ※生分解性プラの中でバイオマスプラ識別表示基準を満たす製品は「生分解性バイオマスプラ」と称する
  3. マークデザイン:グリーンプラマークの廃止
    → 1)「生分解性プラマーク
      2)「生分解性バイオマスプラマーク」の制定

これまで日本プラスチック協会では、植物由来のプラスチックを「バイオマスプラ」、生分解性プラスチックを「グリーンプラ」としてきましたが、今後は「バイオマスプラ」と「生分解性プラ」という名称になります。

新しい名称とロゴマークの切替え開始は2021年7月からとし、2024年3月までの切替え完了を目指しています。今後新たに認証された製品は、全て新しいマークを使用することとしています。

これを受け、キラックスの生分解性プラスチック製品も、順次新しいマークへと切り替えを進めております。

2-3. 生分解性プラマークの登録商品

生分解性プラスチック製品は、使用時には通常のプラスチック製品と同じ用途で使うことができ、使用後は自然界に存在する微生物の働きによって、最終的に水と二酸化炭素に分解されて自然界へと循環していきます。

この特性を活かし、私たちの生活に関わるさまざまな商品へ応用されています。現時点で、生分解性プラマークの認証を受けているアイテムは271個。(2021年8月1日現在)

主に、農業や土木資材としてのフィルム、食品残渣(生ごみ)回収用の袋、食品包装資材などに使われています。農業用のフィルムは土に還るため回収不要。食品残渣回収袋は生ごみと一緒に堆肥化することができます。

近年、レジ袋やスプーン、フォーク、ストローなどのプラスチック製食品包装資材を削減する動きが高まっていますが、生分解性プラスチックを使用した食品包装資材も少しずつ開発され、生分解性プラマークが取得されるようになってきました。

また、生分解性プラマーク取得製品の中には、BB弾やゴルフのティー、ジャンパーやタオルといった珍しいアイテムも登録されています。今後さらに登録アイテムが増えていくのではないでしょうか。

3. まとめ

グリーンプラマークの変更について、お分かりいただけたでしょうか。新しい名称は「生分解性プラマーク」。その名の通り、生分解性プラスチック製品に認定されるシンボルマークです。名称が新しくなり、以前より覚えやすい名前になったのではないでしょうか。

キラックスでは、生分解性プラマークを取得できる製品の開発を行っています。自然に還ることのできる商品の導入をご検討されている方は、お気軽にご相談ください。

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