建築用ガラスにも曲げガラスを採用!曲線の美しさをペアガラスでも表現できるんです

2021/05/06
ガラス加工
#ガラス事業部#オリジナル

キラックスのガラス事業部では、ガラスの曲げ加工をメインとした事業を行っています。日本に数社しかない曲げガラスメーカーとして、全国各地へ質の高い曲げガラスをお届けしています。

私たちの暮らしに欠かせない建物にも曲げガラスが採用されています。建築用ガラスにはどんなものがあり、どのような建物に曲げガラスが使われているのでしょうか?

この記事では、建築用ガラスの曲げガラス採用事例や、ペアガラスを使った曲げガラスの導入事例をご紹介しています。この記事をご一読いただければ、建築用曲げガラスの魅力についてお分かりいただけるでしょう。

1. 建築用ガラスの種類と曲げガラスの魅力

1-1. 建築用ガラスの種類

一言で建築用ガラスと言っても、さまざまな種類があります。ガラスの使用場所によって下記のガラスを使い分けています。

  • フロートガラス…平板ガラス、最も流通量が多く一般的に使用されているガラス
  • 網入ガラス…飛散防止性に優れており、割れた際のリスク軽減に
  • 型ガラス…ガラス面に型模様が刻まれており、表面が凸凹している
  • 強化ガラス…フロートガラスを熱処理加工し、冷却することで強度をアップさせたガラス
  • 熱線反射ガラス…フロートガラスの表面に金属膜を焼き付けたもので、太陽熱を鏡のように反射せることで室温の上昇を抑制するもの

1-2. 建築用ガラスに曲げガラスを採用する意味

一般的に建築用として使用されるガラスは、平板の状態です。窓やドアのガラスを想像していただければ、お分かりいただけるでしょう。

平板のままでも、建築用途としては十分です。しかし、建物の美観を考えると少し味気ないままです。建物の角部分にあるガラス面が、平板を貼り合わせたものと、1枚のガラスに曲線を持たせたもの、どちらがより美しいでしょうか。

デザイン性を高め美しさを演出するために、建築用ガラスに曲げガラスを採用しているのです。

2. 建築用ガラスの曲げガラス採用事例をご紹介

2-1. 【採用事例1】波を表現し、海の中にいるような空間演出に

建築曲げガラスは、水族館での空間演出に最適です。さまざまな海の生き物が泳ぐ水槽や、海の生き物の生体を紹介する展示スペースなどに曲げガラスを採用することで、海の中にいるような柔らかい空間を創ることができます。

キラックスの曲げガラスも、水族館の展示スペースで採用いただいております。厚さ12㎜、幅1200~1800㎜×高さ2500㎜ほどの大きな平板ガラスを、異なる曲げ角度で2か所曲げる「複合R曲げ」という曲げ方で加工し、展示スペースの仕切りとして納入していただきました。

1枚のガラスで2か所の曲げ加工を行うためには専用の金型が必要です。
角度を忠実に再現できるよう金型を作成します。金型にセットした平板ガラスに熱を加えてゆっくりと曲げていきます。浅く曲げる箇所は火を弱め、深く曲げる箇所は火を強くし、長年の経験と職人の目視によって微調整を加え、曲げガラスを完成させます。

角度の異なる加工を施した曲げガラスを採用することで、海の波を表現し、水族館における非日常空間の演出に貢献することができるのです。

  
 関連する納品事例はこちら:『波を意識した曲げ加工で、非日常空間を表現!』 

2-2. 【採用事例2】企業ビルの外観の美しさを際立たせる

企業ビルのカーテンウォールにも曲げガラスが採用されています。
キラックスでは、室温の上昇を抑制する「熱線反射ガラス」にも曲げ加工を施すことができます。幅1500㎜×高さ1800㎜ほどの板状のガラスを1枚ずつ丁寧に曲げ、50枚以上を企業ビルのカーテンウォールとして納入させていただいた事例もございます。

企業ビルやオフィスビルに曲線を採り入れることで、外観の美しさを際立たせることができます。

3. 曲線の美しさはペアガラスでも表現可能!

3-1. ペアガラスとは

建築用途に「ペアガラス」と呼ばれるガラスが多く採用されています。ペアガラスとは、平板状のガラス同士を2枚貼り合わせて作る仕様のことで、断熱性を高める効果があります。

ガラスを貼り合わせるといっても、2枚をピッタリとくっつけるわけではありません。ガラスの間に「スペーサー」と呼ばれる金属の部材を挟み、空気層を作ります。

スペーサーには乾燥剤を入れ、ガラスとガラスの間に結露が生まれない工夫が施されています。ガラスの大きさや使用する場所に合わせて4㎜~12㎜のスペーサーを使い分け、窓や壁として導入した際に不具合が生まれないような仕様にしています。

3-2. ペアガラスを曲げガラスにする方法

ペアガラスの曲げ加工は、熱を加えてじっくりとガラスを曲げる「熱曲げ」の加工を2枚別々に行います。
曲げる角度は同じではなく、内側と外側で若干の曲げ角度が異なります。それぞれに合わせた金型を作成し、1枚ずつ熱曲げ加工を施し、貼り合わせ作業を行います。

ガラスを貼り合わせる工程では、内側となるガラス面を慎重かつ丁寧に拭き上げ、ホコリや塵が入らないように細心の注意を払って行われます。キラックスではこのペアガラスの曲げ加工を得意としています。

3-3. 【採用事例3】家具インテリア販売店のイメージアップに貢献

ペアガラスを使った曲げガラスを、家具インテリア販売店の建物に採用いただいております。
Low-Eガラスと平板ガラスを使用したペアガラスに曲げ加工を施し、納入させていただきました。Low-Eとは、Low Emissivityの略で「低放射」という意味を持ち、伝熱を少なくする効果があります。ガラスにコーティングされたLow-E膜によって、冬は室内の温かい熱を逃さず、夏は太陽熱を吸収し、室内の快適性を高める効果があります。

この機能性の高い8㎜のLow-Eガラスと、8㎜の平板ガラスをそれぞれの角度に曲げ、間の空気層にスペーサーを挟んで、ペアガラスを完成させます。この建物には30枚以上の曲げガラスが採用されており、外観の美しさアップに貢献しています。

また、建物内にある吹き抜けの手すりにも曲げガラスをご採用いただき、空間のデザイン性を高めています。

私たちが家具やインテリアを選ぶときにデザイン性の高いものに惹かれるように、販売店の外観にもデザイン性の高い曲げガラスを採用することで、企業の外観イメージアップにも繋がっているのです。

 関連する納品事例はこちら:『高機能な曲げ複層ガラスを施工!快適空間の演出に』 

3-4. 【採用事例4】公共施設にやわらかさをプラス

公共施設にも、ペアガラスを使った曲げガラスが採用されています。多くの人が出入りする公共施設だからこそ、親しみやすくやわらかなデザインが求められます。

こちらの建物には、飛散防止性に優れた網入りガラスと平板ガラスを貼り合わせたペアガラスを採用しています。10㎜の網入りガラスと、8㎜の平板ガラス2枚を貼り合わせた16㎜の合わせガラスを使用し、それぞれに曲げ加工を施しています。

カーテンウォールに曲げガラスを採用し、緩やかな曲線を採り入れることで、訪れる人にやわらかい印象を与えることができるのです。

 関連する納品事例はこちら:『安全性◎親しみやすい建物にしたい!ハイスペック素材の曲げガラスを納品』 

4. まとめ

いかがでしたか。建築用ガラスに曲げガラスを採用することで、建物のデザイン性アップに貢献できます。
さらに、機能性の高いペアガラスに美しさを演出する曲げ加工をプラスすることで、デザイン性を兼ね備えた高性能な建物の建築が可能となるのです。

キラックスでは、建築用の曲げガラス加工完了後も、キラックス社員自らが納品場所へお持ちし、現場での施工までお手伝いさせていただいております。

「新しく建築する建物にぜひ曲げガラスを採用したい!」
「曲線を採り入れた建物デザインを考えている」
という方、お気軽にキラックス・ガラス事業部までお問い合わせください。

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