「3R+Renewable」をカタチに~バイオプラスチックの先駆者 リスパック開発商品をご紹介~

2021/04/05
食品包装資材
#パッケージング・システム事業部#商品紹介#環境にやさしい#生分解性プラスチック#テイクアウト

2019年5月、政府によって「プラスチック資源循環戦略」が策定され、プラスチック容器の使い捨て使用について見直しが求められるようになってきました。
生分解性プラスチックやバイオプラスチックという言葉は聞いたことはあるものの、実際にはどんな環境配慮型の容器があるのか分からないという方も多いのではないでしょうか。

この記事の前半では、「プラスチック資源循環戦略」と基本原則「3R+Renewable」をご説明し、後半では、20年以上に渡ってバイオプラスチック容器の開発に取り組んでいる株式会社リスパックの開発素材や最新の容器をまとめてご紹介しています。キラックスのパートナー企業であるリスパックの製品は、その品質の高さから多くの方から支持されています。

この記事をご一読いただければ、環境に配慮にしたプラスチック容器の選定にお役立ちいただけることでしょう。

◎バイオマスプラスチックのオリジナル袋をご紹介はこちら↓↓
https://www.kiracs.co.jp/blog/4174/

◎SDGsの取り組みはこちらでご紹介しています↓↓↓
https://www.kiracs.co.jp/blog/3176/

1. プラスチック資源循環戦略とは

1-1. プラスチック資源循環戦略の背景

近年、プラスチックごみの海洋流出が地球規模の問題として大きく取り上げられています。2010年の推計によると、世界全体で約800万トンを超えるプラスチックごみが海洋へ流出しており、このままでは2050年までに海洋中のプラスチックが魚の重量を超過すると予測されています。
日本においては、1人当たりの容器包装廃棄量が世界で2番目との結果が出ています。これまで廃プラスチックをアジア各国へ輸出してきた本国ですが、輸入規制が強化され、自国内でのプラスチック処理の必要性が高まってきました。
さらに、2015年に国連で採択されたSDGs(持続可能な開発目標)も大きな影響を与えます。

◎「目標12.つくる責任つかう責任」…持続可能な消費と生産パターンを確保する
◎「目標14.海の豊かさを守ろう」…海洋と海洋資源を持続可能な開発に向けて保全し、持続可能な形で利用する

このような背景により、プラスチックのリデュース、リユース、リサイクルと、再生利用・バイオマスプラスチックの普及を目的とした、「プラスチック資源循環戦略」が策定されたのです。

1-2. 基本原則「3R+Renewable」を知ろう

プラスチック資源循環戦略の重点戦略として、「3R+Renewable」という基本原則が発表されています。

3R…リデュース(Reduce)=ごみの発生を減らす
  リユース(Reuse)=繰り返し使う
  リサイクル(Recycle)=資源として再利用する
Renewable=再生可能な資源に替える

具体的には、下記のような目標が掲げられています。

【リデュース】
 ①2030年までにワンウェイプラスチックを累積25%排出抑制
【リユース・リサイクル】
 ②2025年までにリユース・リサイクル可能なデザインに
 ③2030年までに容器包装の6割をリユース・リサイクル
 ④2035年までに使用済プラスチックを100%リユース・リサイクル等により有効利用
【再生利用・バイオマスプラスチック】
 ⑤2030年までに再生利用を倍増
 ⑥2030年までにバイオマスプラスチックを約200万トン導入

上記の目標①を達成するための施策として、2020年7月よりレジ袋有料化義務化がスタートしています。
さらに、プラスチックストロー削減の動き、プラスチック製のスプーン・フォークも有料化検討に入るなど、ワンウェイプラスチックの使用について、大きく見直しを図る時期を迎えているのです。

 

【2022.2.18追記】
2022年4月1日より、プラスチック資源循環促進法(「プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律」)が施行されます。必ずしもプラスチックスプーンが有料化になるわけではなく、提供方法の工夫が重要に。詳細はこちら↓↓
https://www.kiracs.co.jp/blog/3862/

2. 「3R+Renewable」をカタチにするリスパックの開発素材

2-1. リスパックのバイオプラスチック容器開発の歩み

株式会社リスパックは愛知万博の開催に向け、1990年に環境にやさしい素材の開発を始めます。
2003年、日本初となるバイオマスプラスチックのポリ乳酸製サラダ容器を発売しました。2005年、植物由来100%の生分解性プラスチック容器が愛知万博の公式容器として採用されます。2011、2012年には、植物性の素材を一部に配合した容器を発売。少しずつ着実に、私たちの生活にバイオプラスチック容器の導入を進めてきました。

2015年のパリ協定、SDGsの採択が大きく影響し、環境に配慮した容器への注目が高まります。同年、リスパックのバイオプラスチック開発製品が1,000アイテムを越え、販売数も右肩上がりに伸びていきます。

2019年には「プラスチック資源循環戦略」の策定を機に、バイオプラスチックの実用性向上と化石燃料由来プラスチックの代替がさらに促進されていきます。

2020年、新たに2素材のバイオプラスチックを発表し、ラインナップは2,400を越えました。ごみを減らすReduceと再生可能な資源に変えるRenewableの考え方をモットーに、新商品の開発を続けています。

2-2. 水とCO2に分解される【バイオニュート】

バイオプラスチック容器の開発着手後、最初に発売されたのが「バイオニュート」シリーズです。バイオニュートは100%植物由来の「ポリ乳酸」という素材でできています。

ポリ乳酸(PLA)は生分解性プラスチックであり、微生物によって分解され、最終的には水とCO2に変化します。植物由来の原料を使用することで石油資源の消費を削減できます。

また、排出するCO2と吸収されるCO2が同じであるという「カーボン・ニュートラル」の概念に基づいており、地球上のCO2を増やしません。堆肥化する生分解性プラスチックなので、ごみの減容化にも貢献しています。

2-3. 耐熱温度130℃のハイブリッド容器【バイオデリカ】 

既存の耐熱素材と植物由来のハイブリッド製品として開発されたのが「バイオデリカ」です。石油由来のPPF(ポリプロピレン+無機質)に、さとうきびからできた植物由来のバイオポリエチレンを混ぜ合わせてできています。石油資源の消費抑制とCO2の排出削減に貢献しつつ、レンジ対応可能な万能容器として発売されています。

2-4. A-PETとバイオのハイブリッド容器【バイオカップ】

「バイオカップ」は、石油由来のA-PET(非晶ポリエチレンテレフタレート)に、さとうきびからできたPET樹脂を混合して作られています。リスパックが得意とするA-PETの透明容器に植物由来素材が配合されており、ラインナップはバイオプラスチック容器の中で最も多い1,150アイテムとなっています。

2-5. Reduceにも貢献!【エコア】

2016年に発売された「エコア」はポリ乳酸に石化樹脂をブレンドし、耐熱性を持たせた新環境素材です。耐熱温度は60℃で、A-PETと同等の耐熱性を持っています。バイオマス度は55%で、流通に対応できる容器として発売されています。さらにA-PETより軽いため、ごみを減らすReduceに貢献できます。

2-6. 電子レンジ対応の新素材【ニュートデリカ】

2020年に発売された「ニュートデリカ」は、100%自然由来の新素材PLA-Hから作られています。PLA-Hとは、ポリ乳酸にタルク(天然鉱石)を配合したもので、電子レンジに対応できる耐熱温度110℃の素材となっています。

2-7. 環境にやさしく冷凍できる【バイオHIPS】

「バイオHIPS」はリスパックの最新バイオプラスチック素材で、耐衝撃ポリスチレン製のHIPSに、植物由来のバイオを混合しています。HIPSの特長である冷凍対応を生かしつつバイオマスを配合することで、業界でも珍しい”環境にやさしく冷凍できる”容器の開発に成功しています。

3. 最新のバイオマス容器をご紹介

3-1. バイオニュートシリーズ「ニュートカップN」

生分解性プラスチックで作られた土に還る透明容器の最新アイテム。
本体9種類、蓋6種類と充実のラインナップ。サラダ・フルーツ・スイーツ・青果など、お好きな用途でお使いいただけます。

3-2. バイオカップシリーズ「バイオマス度10%丸カップ」

10%バイオマスマーク取得の透明カップです。本体には緑の印刷、蓋には刻印があり、環境配慮型の容器であることのアピールに貢献できます。

3-3. バイオデリカシリーズ「バイオ食悦」

自炊疲れを時短で解消するために開発された「バイオ食悦」はレンジで調理可能な容器です。ラップのまま電子レンジで加熱し、調理完了。フライパンいらずで洗い物を減らすことができます。

3-4. ニュートデリカシリーズ「ニュートデリカ シェルBOX」

100%自然由来の「ニュートデリカ シェルBOX」は、デリバリー向けの応援パッケージとして発売されました。電子レンジ対応なので、容器ごと温めることができます。また、本体と蓋が一体型のため作業者にもやさしい設計になっています。

3-5. バイオHIPSシリーズ「バイオ 美枠半月」

刺身・寿司容器の本体もバイオHIPS素材で開発されたことにより、本体・蓋ともにバイオ素材の容器として使用することが可能になりました。
刺身が引き立つ4柄をラインナップし、扇型で売り場に変化を持たせることができます。

4. まとめ

いかがでしたか?リスパック開発のバイオプラスチック素材について、お分かりいただけたでしょうか。
また、2021年3月開催の展示会で発表された最新バイオプラスチックアイテムをご紹介させていただきました。

キラックスでは、本記事でご紹介した商品をすべて販売しております。また、リスパックのバイオプラスチック製品以外にも、スプーンやフォーク、ストローなどのプラスチック製品を環境配慮型のアイテムに切り替えるご提案も可能です。

バイオプラスチックへの切り替えを検討している方、容器があるのか教えてほしいという方、ぜひキラックスまでお問い合わせください。ご要望に合わせた容器をご提案させていただきます!

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