ワクチン輸送の救世主!冷凍・冷蔵ワクチン移送専用「保冷バッグセット」が完成しました

2021/06/21
定温物流容器
#ロジスティックスサポート事業部#商品紹介

「冷凍ワクチンってどうやって保管し、温度を保てばいいのだろう…。」
「職域接種の担当になったが、冷蔵ワクチンの輸送にどんな保冷バッグを使えばいいのか分からない…。」
そんな冷凍・冷蔵ワクチンの移送や保管にお困りの方へ!ワクチン専用の保冷バッグセットをご提案いたします。

キラックスでは40年以上に渡って保冷バッグを開発製造してきたノウハウを生かし、この度ワクチン移送専用の保冷バッグセットを発売しました
温度管理の難しいワクチンを適切に保管・輸送するためのお手伝いをさせていただいております。

この記事をご一読いただき、冷凍・冷蔵ワクチンの保管・輸送の一助になれば幸いです。

1. ワクチンの種類と温度管理

2021年2月、日本国内で初めてファイザーのコロナワクチンが承認され、医療従事者を対象に新型コロナウイルスに対するワクチン接種がスタートしました。その後5月にはモデルナ、アストラゼネカのワクチンが承認され、現時点での日本における承認ワクチンは3種類となりました。

当初の予定に比べ、接種が思うように進まない要因の一つに、ワクチンの温度管理の難しさが挙げられます。

ここでは、3社が開発したワクチンの種類と温度管理についてご紹介します。

1-1. ファイザー製ワクチン

日本で最初に承認された新型コロナウイルスワクチンは、アメリカの製薬大手ファイザーと、ドイツのバイオ企業ビオンテックの共同開発によって完成されたワクチンです。2020年12月よりイギリスやアメリカで接種が始まり、翌年2月に日本で承認されました。

日本では医療従事者への接種に始まり、65歳以上の高齢者、高齢者以外で基礎疾患を有する人や高齢者施設等での従事者、最後にそれ以外と、徐々に接種が進んできています。

接種対象年齢は当初16歳以上とされていましたが、厚生労働省はファイザーの治験結果を受け2021年5月31日、接種対象を12歳以上に拡大することを決定しました。

ファイザー製ワクチンの特徴は下記の通り。

ワクチンの種類:mRNAワクチン
接種方法:筋肉注射
接種回数:2回接種(3週間隔)
保存方法1(超低温冷凍):-90℃~-60℃で6ヵ月間(製造日より起算)
保存方法2(通常冷凍):-25℃~-15℃で14日間保存可能
保存方法3(冷蔵):解凍後2℃~8℃の冷蔵庫で保管し、1ヵ月間保存可能

当初、冷蔵へ移行したワクチンは5日以内の保存期限とされていましたが、ファイザーの新たなデータを基に2021年5月31日に期限が改訂され、1ヵ月間へと延長

これまでファイザー製ワクチンは冷蔵での保管期限が短く、温度管理の難しさが指摘されてきました。しかし、冷蔵保管期限が大幅に延びたことにより、キャンセルが出た場合でもワクチンを破棄することなく有効活用することができ、ワクチン輸送もよりしやすくなったと言えます。

1-2. モデルナ製ワクチン

日本で2番目に承認されたアメリカの製薬会社モデルナのワクチンは、2020年12月以降アメリカなどで接種開始。日本国内では、製薬大手の武田薬品工業が行った臨床試験の結果に基づき、2021年5月21日に承認されました。

接種対象は18歳以上となっており、東京・大阪などの都市部を中心とした大規模接種会場で接種が行われています。6月21日からは企業や大学などで「職域接種」が開始。若者への有効性が高いと言われるモデルナ製のワクチンにより、都市部での感染拡大防止が期待されています。

モデルナ製ワクチンの特徴は下記の通り。

ワクチンの種類:mRNAワクチン
接種方法:筋肉注射
接種回数:2回接種(4週間隔)
保存方法1(冷凍):-20℃~±5℃で6ヵ月間(製造日より起算)
保存方法2(冷蔵):解凍後2℃~8℃の冷蔵庫で保管し、1ヵ月間保存可能
保存方法3(室温):8℃~25℃へ移行後、12時間保存可能

承認された当初、モデルナ製ワクチンはファイザー製ワクチンに比べ温度管理がしやすいと言われていました。
ファイザー製ワクチンの冷蔵保存期間が延びたことで、ワクチンの冷蔵保存方法は両社とも同条件となりましたが、冷凍や室温保存の点では、モデルナ製ワクチンの方がより扱いやすいと感じられます。

1-3. アストラゼネカ製ワクチン

イギリスの製薬大手アストラゼネカは、オックスフォード大学と共同開発でワクチンを完成させ、2021年1月からイギリスなどで接種を開始しました。
日本国内では5月21日に承認され、18歳以上が接種対象となっています。しかし、副反応や血栓症の報告事例を考慮し、現時点では公費接種の対象外としています。

アストラゼネカ製ワクチンの特徴は下記の通り。

ワクチンの種類:ウイルスベクターワクチン
接種方法:筋肉注射
接種回数:2回接種(4~8週間隔、8週以上推奨)
保存方法(冷蔵):2℃~8℃の冷蔵庫で保管し、1ヵ月間保存可能

アストラゼネカ製ワクチンの特徴は、何と言っても冷凍保存が不要なこと。冷蔵のみで対応できるため、ワクチン輸送や保管におけるメリットは大きいと言えるでしょう。

2. ワクチン保管の救世主が完成!

キラックスでは、40年以上に渡る納入実績と高性能断熱ボックスの製造技術を活かし、環境温度の影響を受けにくい保冷バッグを完成させました。

2-1. ワクチン専用「保冷バッグセット」共通の特徴

ワクチン専用保冷バッグは、50本のバイアル瓶に対応、持ち運びがしやすいサイズ感で作成しました。

保冷バッグセットの内容は、保冷バッグ本体×1、保冷剤×3、バイアルホルダー×1
付属するバイアルホルダーには、英数字を印字し、50穴を正確に位置呼称できるようにしています。これにより、バイアル瓶の取り違えを防止します。

※バイアルホルダーの印字(横にA~Iの英字、縦に1~6の数字を印字)

この英数字は、自治体でのワクチン接種に向けてお話をいただいたご担当者様の要望を具現化したものです。お客様の声を反映したことにより、現場の方が使いやすいワクチン専用保冷バッグセットが完成しました。

2-2. 冷蔵移送ワクチン専用「保冷バッグセットVT-50」

日本で承認されているコロナワクチンの冷蔵保存は2℃~8℃。キラックスで開発した冷蔵移送用の保冷バッグ「保冷バッグセットVT-50」は、気温+35℃の環境下で14時間以上にわたり2℃~8℃を維持できる仕様になっています。

セット内容は保冷剤が3個ですが、この冷蔵移送用は保冷剤を1個のみ使用します。保冷剤の融点は+3℃、ご使用の最低12時間以上前には凍結準備を開始し、推奨設度は-20℃です。
使用当日の注意点は、保冷剤を冷凍庫から取り出した後に、15℃~25℃の常温環境で30分放置することです。これは、バイアルの再凍結を防止するために必要な工程であり、必ず実施をお願いしています。

使用方法についての詳細説明書は、保冷バッグの納品時に同梱しています。職域接種などワクチン管理に不慣れな方でも分かりやすく記載してありますのでご安心ください。

インフルエンザワクチンや日本脳炎などその他のワクチンにおいても10℃以下での保存が推奨されており、コロナワクチンにとどまらず様々なワクチンに対応できる冷蔵用の保冷バッグとなっています。

2-3. 冷凍移送ワクチン専用「保冷バッグセットVT-50-2」

ファイザー製ワクチンの冷凍保存は-25℃~-15℃、モデルナ製は-20℃~±5℃。2社の冷凍輸送・保存に対応するために開発したのが「保冷バッグセットVT-50-2」です。-15℃以下での冷凍移送に対応しています。

保冷剤の融点は-25℃で、こちらは付属する3個の保冷剤を全て使用。12時間以上前には-40℃以下の冷凍庫にて凍結を開始します。使用当日は、冷凍庫から取り出し、速やかに保冷バッグにセットしてください。

こちらも使用方法の説明書を同梱しておりますので、安心してお使いいただけます。

3. まとめ

冷凍・冷蔵輸送に適したワクチン移送専用の保冷バッグについてお分かりいただけたでしょうか。

自治体、医療機関、企業や大学での職域接種など、ワクチン接種の一助になればと思い、商品をご紹介させていただきました。

キラックスでは、より安心してお使いいただけるワクチン移送用バッグをどこよりも短納期でお届けします。
一般接種を控え、再度、保冷バッグと保冷剤の調達をご検討されている自治体・輸送業者のご担当者様、ぜひともお気軽にご相談ください。

定温物流容器について、さらに詳しい専用サイトをご用意しております。下記リンクよりご参照ください。
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