マイクロプラスチック対策で私たちができることは?海で分解されるレジ袋の課題と目標

2022/05/13
環境製品
#商品開発部#SDGs#環境にやさしい#生分解性プラスチック

今たくさんの企業がSDGs(持続可能な開発目標)を掲げ、環境問題に取り組んでいるかと思います。

そんな中で、
・海洋汚染でよく聞かれる、マイクロプラスチックってなに?
・マイクロプラスチックを減らすために、私たちができる対策は?
と、疑問に思われる方もいるのではないでしょうか。

具体的に私たちができることはなんだろう?とお考えの方必見!
SDGsでも挙げられている海洋汚染対策として、わが社が日本初の海洋生分解性プラスチック製レジ袋を開発しました!
https://www.kiracs.co.jp/blog/2163/

2022年4月12日に、海洋生分解性プラスチック製レジ袋の開発経緯や課題について
ラジオにて紹介していただきました。
今回はその内容をもとに、マイクロプラスチック対策と生分解性プラスチックの課題についてお話していきます。

1. マイクロプラスチックへの対策

私たちの生活に欠かせない存在となっているプラスチック。便利な反面、世界中でプラスチックごみが問題視されており、SDGsにおいても取り組み課題として掲げられています。
プラスチックごみの一部は海へ流出し、波や砂にもまれて、強い紫外線にさらされます。
そして細かく分解され、小さなプラスチック片となります。
その小さく砕かれた5mm以下のプラスチックをマイクロプラスチックといいます。

マイクロプラスチックは、海流に乗って世界中の海に拡散されてしまいます。
細かく砕かれたプラスチックは、海の中で溶けることなく存在し続けるため、海洋生物だけではなく、私たち人体にも悪影響を及ぼす可能性があるのです。

そこで私たちにできる対策としてご提案したいのが、海洋生分解性プラスチックの使用です。
海洋生分解性プラスチックは一般的なプラスチックと異なり、海の中で自然に還ることができる特別なプラスチックです。
その為、マイクロプラスチック問題への対策の一つとして、注目されています。

先日、ラジオにて海洋生分解性プラスチックの活用と課題についてお話させていただきました。
日本初の海洋生分解性プラスチック製レジ袋の開発企業として、お話した内容の一部をご紹介します。

放送日時:2022年4月12日(火) 19:30~19:55
放送局:FM AICHI 80.7MHz
番組名:「Brother presents Music Earth」
パーソナリティ:Cocoro
テーマ:日本初!海洋生分解性プラスチック
出演:株式会社キラックス 商品開発部 嶋崎 太郎(しまさき たろう)

2. 海洋生分解性プラスチックとは?

ー海洋生分解性プラスチックとは、どういったものですか?

海の中の微生物によって、最終的に水と二酸化炭素に分解されて自然に還ることができるプラスチックのことを言います。

ー今までにも微生物によって分解されるものはあったのでしょうか?

土の中で分解される、生分解性プラスチックは以前からありました。
しかし、海の中で分解されるものはありませんでした。

ーマイクロプラスチックとなってずっと海を漂い続け、それを魚が食べてやがて私達人間に戻ってくるという話を聞いたことがありますが・・・

プラスチックによる海洋汚染は、深刻な問題となっております。
人間を含めた食物連鎖の中でプラスチック汚染が生態系にどんな影響を与えるのかは今も世界中の研究機関で調査されています。
ただ言えることは、このままほっておけない。というのは間違いありません。

ーそれが開発のきっかけとなったのでしょうか?

はい、その通りです。
プラスチックは大きな状態でも小さな状態でも海の生き物がエサと間違えて食べてしまうことが問題となっています。
プラスチックは元々、化学物質や重金属が付着しやすい特性があります。
海洋中に漂って、それが付着してしまったプラスチックを誤って魚が食べている可能性があります。

弊社で培った技術で、海の中で分解するプラスチックフィルムが製品化できないかと、日本国内で生分解性樹脂を製造している原料メーカーさんと一緒に原料開発を行い、製品開発をしました。

3. 土の中と海の中で分解されるプラスチックの違い

ー土の中の分解と海の中の分解では、条件が違うのでしょうか?

はい。生分解性プラスチックが分解する条件に、温度と湿度が必要です。
海の中は、水分は十分ですが、温度が低いために今までの生分解性プラスチックの材料では分解できないことや、分解するのにとても時間が掛かってしまうことがあります。
更に、海の中は微生物が大変少ない為、生分解性プラスチックを水と二酸化炭素に分解してくれるのに時間がかかります。

ー土の中で分解されるプラスチックの開発には、何かきっかけがありましたか?
 愛・地球博がきっかけになったと伺いましたが。

弊社は主に、食品包装資材を扱う会社です。
食品包装資材は使用後にごみとなってしまう為、ずっと研究対象にしておりました。

2005年の愛・地球博で採用されたごみ袋は、食品循環リサイクル事業と言われて
食品の残菜や家庭から出る生ごみを畑や家庭菜園で使われる肥料にして
その肥料を使い、野菜などを栽培して循環させる事業のことです。

その生ごみ等を運ぶごみ袋として採用されたのが始まりです。

ーその際は、分解されるのには大体どれぐらいの時間が掛かりましたか?

早いもので3日ぐらい、遅くても10日ぐらいで目に見えない物体になります。

ー海の中では、どれくらいの時間で分解されるのでしょうか?

海の中では、おおよそ一年で微生物の作用によって、水や二酸化炭素に分解されると確認しております。

分解の実験に関しては、公的機関で分解実験を行いました。
このフィルムは名古屋港水族館で昨年の12月から今年の4月10日まで開催されていた特別展で分解されていく様子を展示しておりました。
https://www.kiracs.co.jp/blog/3898/

4. 海で分解されるレジ袋の採用事例

ー現在は、どういったところで使われているのでしょうか?

海洋生分解ですと、海岸清掃のイベントごみ袋として使用したり、大分県のスーパーでは実用テストを兼ねて有料レジ袋として使っていただきました。

ご検討いただいている企業さんでは、SDGsに取り込まれている企業であったり、海洋につながりの深い企業さんで採用・検討をしていただいています。

ー海だけではなく、陸地での利用は、スーパーの他にはどういったところがありますか?

山の中や干ばつで使われる、目印テープといわれるピンクや黄色の木に巻き付けるテープや、木を育てるために鹿の食害から守るためのフィルム等に使われております。

まだまだ分解されないものも多いですが、徐々に生分解性プラスチックに置き換わっております。

5. 生分解性プラスチック製品の課題と目標

ーどんどん従来のプラスチック製品から全て(生分解性プラスチック製品に)置き換わっていくと良いかと思いますが、いかがでしょうか?

それが簡単にはいかないのが現状です。
生分解性プラスチックはまだ万能ではありません。

日本国内でも生分解性プラスチックという言葉は少しずつ皆さんに浸透してきましたが、どんなプラスチックでどんな特徴なのかは、まだまだ理解されてないことが多いです。

①プラスチックの中では新しい分類になる為、原料価格が高い。
②消費期限(分解してしまう)がある為、大量生産ができず、在庫を持つことが難しい。

ー今後の課題や計画はありますか?

生分解性プラスチックを知ってもらい、たくさんの方に使用してもらうことで、更なる製品の開発と技術が向上します。
そうすることによって、私たちが手の届きやすい価格になっていくことになりますので、どんどん普及していくことになるかと思います。
生分解性プラスチックが普及することで結果的に、SDGsの17の目標のうち、12「つくる責任つかう責任」であったり、14「海の豊かさを守ろう」、15「陸の豊かも守ろう」ということに繋がっていくかと思います。

6. まとめ

マイクロプラスチック対策としての海洋生分解性プラスチックの活用と課題についてお話させていただきました。

海の中で分解されるレジ袋はマイクロプラスチック問題に寄与することができる画期的な製品であるものの、実用的ではない問題点もあるのが現状です。海洋生分解性プラスチックだけでなく、土に還る生分解性プラスチックも同様。
しかし、この課題と向き合いながら、自然に還るプラスチックの使用がますます増えていくよう、今後も活動して参りたいと思います。

SDGsの取り組みとして、生分解性プラスチックの活用や海洋生分解性プラスチック製レジ袋について詳しく知りたい方は、お気軽にお問い合わせください。

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